【新卒?第二新卒?】日本での経験は海外就職に役立つのか

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海外で就職する時、日本での経験は役立つのか?国も会社も文化も違うのだから、日本での経験は役に立たない、日本で経験を積んでから海外就職するより、新卒で海外就職したほうがいいのではという意見もあるかと思います?私の海外就職の経験から、日本での経験が役立つのか、私の考えを書いていきたいと思います。

自分の経歴について

最初に自分の経歴について…

  • 日本で電気系エンジニアとして二社、計七年の経験
  • 退職後、フィリピンで英語留学
  • その後、シンガポール、ドイツ、タイで就職
  • シンガポールでは日系電気系メーカー(そこそこでかい)
  • ドイツは独系半導体メーカー(そこそこでかい)
  • タイは日系IT企業(小企業)

自分がドイツ就職を決めるまでの経緯を以下の記事にまとめてます。

前提条件

海外で自力で仕事を探して企業に就職する所謂「現地採用」を対象とします。

例えば、日本で就職して海外の支社に派遣される駐在員であったり、海外に住んでフリーランス、または自分で起業して日本から仕事を受けるなどのノマドワーカーのようなケースは対象外です。

結論からいってしまえば…

日本で仕事をした経験は海外就職で役立ちます。というかは、特別なスキルを持っている場合や、海外の大学を卒業した例を除けば、日本で仕事をした経験がなければ海外就職するのはかなり難しいでしょう。

新卒での海外就職は無理なのか…

それはそんなことはないです。実際に、現実で新卒海外就職した友人はいないのですが、ネット上では新卒就職した体験談を読んだこともありますし、新卒でも採用するという会社を聞いたことはあります。しかし、条件はかなり限られてくると思います。例えば、かなり需要の大きいITプログラマーであったり、特にスキルを要求しないコールセンターであったりなどです。

ネット上で見る記事を読んだ自分の感想としては、すごい市場、企業調査してるし、売り込み方もすごいな。自分が20~22歳の頃にこれほどの能力には全く達していなかったわ。(パチスロばっかりしてました)

海外就職の難しさ

そもそも即戦力が求められる

日本で新卒入社すると、新人研修があります。私も最初に入社した会社では、二か月ほど新人研修を受けましたし、配属になってからも先輩や上司が指導のための仕事を用意してくれるなど手厚い支援がありました。また、日本で転職した時も、研修は二日だけでしたが、その後も転職者を支援する制度がありました。(担当の先輩がついて指導してくれたり、週報を確認してくれるといった制度です。)

これまで、シンガポール、ドイツ、タイで就職して働いてきましたが、これほどの支援はありませんでした。大学を卒業したての社員(現地人)であってもです。一般的に、新卒と転職者での扱いの違いはありません。あるのは要求される業務内容があり、それを達成できるか否かです。つまり、即戦力が求められます。

自分が即戦力であることを示す必要がある

面接では自分が即戦力であることを示す必要があります。その上で、最も信用してもらえることは、実際に同じような業務に携わって成果を出したことがあるという実績です。海外では新卒一括採用は一般的ではありません(一部ある国はあるかもしれませんが)。そのため、現地の大学を卒業した人達も就職活動に苦戦しています。特に欧州では大学卒業後に仕事が見つからないというのは定番の問題になっており、大学に入りなおす人も多いです。何歳になっても気軽に大学に入ったり、辞めたりするのは、それはそれで欧州のいいところだとも思いますが…

競合相手が経験者であること

現地の新卒の人たちが就活に苦戦する理由が、競合相手が同じ新卒だけではなく、他社で経験を積んだ転職者であることがあります。会社としても、新卒未経験よりも、経験がある人を雇うのは当然のことで、新卒はなんでもいいから雇ってもらうか、無休インターンをしてでも経験を積んで仕事を見つけるしかないという話をよく聞きます。

自分が外国人であること

自分が経営者、または採用担当で外国人を雇うことを想像してみてください。外国人を雇う理由がいるはずです。例えば、同程度の候補者、日本人と外国人が一人づついて、どちらを選ぶでしょうか…少しくらい外国人候補者が優れていても、日本人を雇うという結果になるでしょう。雇った後の業務の指導、同僚との連携等、日本人の方が簡単にできると考えるのが自然だからです。さらに、外国人を雇う場合は労働ビザの問題も存在します。

そもそも外国人として就職するのは、何をするにしても不利な状態を背負っていることを理解しなければいけません。その上で、どう雇ってもらえるか、それを考える必要があります。

海外就職するための戦略

海外就職することの難しさについて前章で説明しましたが、それを解決する戦略をこの章で書いていきたいと思います。

一例

私の友人で実に上手く戦略を練って、海外就職したなという人がいるので例として紹介したいと思います。彼は大学時代にオーストラリアに留学していました、そこで将来は海外就職したいと考えていました。その後、帰国した彼は大学を卒業し、まず日本で商社に就職しました。三年間、その会社で働き経験を積み、退職後、ベトナムに移住。ベトナムではベトナムの電気製品などを主に取り扱っている商社で日本のサプライヤー担当として、就職しました。その企業にとって、日本のサプライヤーは重要であり、その担当ポジションは非常に重要です。彼は日本での商社勤務経験を活かして、活躍していました。

日本人のアドバンテージを使う

海外就職で最も簡単な方法は、日本人であることのアドバンテージを使うことだと思います。そもそも日本人にしかできない仕事、日本人であることが有利に働く仕事については、外国であっても日本人を雇わざるを得ないのです。

最初に挙げた例もですが、わかりやすいのは日本語教師だと思います。それ以外でも日本食の料理人、意外な職業だと美容師とかもあります。私が勤めていたドイツ企業では、私は品質保証のポジションで日本に販売した製品の品質問題の対応をしていました。

ここのポイントは日本人とのビジネスを、海外でする必要があるということです。日本の商品を海外で売ったり、または、その逆で海外の商品を日本に売ったり等です。つまり、日本人と仕事をするのは、日本人であることが有利に働きます。もっとも、このアドバンテージを使うには日本で仕事をしたことがある必要がありますが。

日本人と仕事をすること

実は、外国人にとって日本人と仕事をすることは簡単ではありません。例え、その外国人が日本語をネイティブのように使えたとしても、一緒に仕事をするのは簡単ではありません。文化の違いというのはそれだけ高い壁になります、また、日本の会社というのはなかなかに独特な習慣もあり、外国人には理解され辛いことも多々あります。そのため、日本とのやり取りの為に、日本人を雇うことが選ばれます。ここを狙う為に、日本での経験が大いに役立ちます。つまり…

そのポジションと関連性のある経験 + 日本人と仕事をした経験 + 言語

この組み合わせで海外でも仕事を見つけることができます。

言語の問題について

当然ですが、外国では日本語は使われていなく、また同僚や上司と会話をするための外国語のスキルが必要です。とりあえずは、英語ができれば広く色々な国での就職に役立つのは間違いないです。私自身、英語しかできませんが、英語ネイティブの国ではないタイやドイツで仕事を見つけることができています。

一方で現地語を習得すると、その国でしか使えませんが、その国ではかなり高く評価されます。例えば、タイで仕事を探すとして、タイ語ができるとします。日本人で英語ができる人はまぁまぁいますが、タイ語ができる人はかなり希少です。日本人であり、タイ語ができる、かつ数年程度の社会人経験があれば、タイで仕事を見つけることは容易でしょう。

言語について、自身のスキル、経験、目的の国、また業務内容に応じて、何を勉強するか決めていけばいいと思います。言語も一つのスキルです、何が必要がどうかは組み合わせ次第です。特に国が決まってなければ英語をしておけば無難というのは間違いありませんが、最短距離にはならないでしょう。

海外でも重宝されるスキル

先述した内容の「そのポジションと関連した経験」がつまりはスキルですが、ここに言ってしまえば当たり外れがあります。

わかりやすく当たりはIT業界です(特にプログラマー)。世界的に、IT業界での需要は増えており、どの国でも全然人が足りていません。ドイツでリクルートエージェントと話したことがありますが、プログラマーはインド人だらけと言っていました。国内の技術者で需要が賄えないため、海外の人材でも雇っていくという方針の結果です。

私は自動車メーカーで電気部品の設計を日本でしていました。海外で同じ設計職につくのは難しいのですが、それに関わる仕事は海外でも多く求人がありました(IT業界ほどではないですが)。日本にはメーカーが多く、日本から製品を買いたい企業、製品を売りたい企業、また日本企業が海外に進出しているケースなどがあり、そこで仕事を得るチャンスがありました。

海外就職を目指すのあれば、まず自分の仕事、経験がどれほど海外で需要があるか知ることから始まります。そのことは以下の記事でも書いています。

最後に

自分の経験上、日本での経験というのは予想以上に役立ちます。やはり日本というのはそれなりに大きい国で、各国に日本との関りを持つ企業があります。そのため、日本での経験は記事内でも書いたように、海外でも使えることが多いです。

そして、日本で新卒は就職で有利に働きます。減るものでもないですし、アドバンテージは使い、戦略を考えて海外就職を目指してほしいと思います。また、日本人としてのアドバンテージを使えることを先人に感謝し、後に続く人も、同様のアドバンテージを使えるよう不誠実なことをせず海外で活躍してもらいたいと思います。

敬具

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